美肌のヒミツ 皮膚理論を知ればあなたのスキンケアがかわる


「表皮層」と「真皮層」

皮膚は身体の一番外側にあって、身体全体を覆う臓器の一種です。皮膚は均一な一体性のものではなく、層構造になっており、基底膜を境に上層は0.1~0.2mmの表皮層、下層は1~5mmの真皮層に分けられます。表皮層と真皮層は発生的にも構造的にも、またその役割においてもまったく異なっており、加齢や劣化によってそれぞれの層で生じる「シミ」や「しわ」も原因や改善方法が全く異なります。

 
 

<表皮層>

表皮層は身体の最上部にあって、常に外環境と接しており、ウイルスなどの外的や異物の侵入、電解質や紫外線、活性酸素や有害化学物質の侵入から生命を守るバリア(屋根)の役割を担っています。

  発生的には、表皮(表皮細胞、色素細胞、免疫細胞)は外胚葉から派生したもので、脳、神経、目(レンズ)と同じです。表皮は常に外環境を認識してその情報を伝達するミクロの目といえるのです。シミの原因となるメラニンは紫外線を体内に入れないよう表皮色素細胞が発生させた屋根の「汚れ」と言えるのです。

<真皮層>

 真皮層は基底層膜の下に位置しており、表皮層を支える柱の役割を担っています。真皮は表皮と異なり、90%以上が細胞外マトリックスにより構成されていて、その主成分は線維芽細胞によって産出されるコラーゲン(謬原線維)で、真皮の70%を占めています。さらに繊維芽細胞はエラスチン(弾力線維)、ヒアルロン酸(保湿因子でもあるムコ多糖類)を産出して、真皮層内に網状の構造を構築し、ハリと弾力を持った強い柱を作り出しています。

  発生的には、真皮層は筋肉や脊椎、骨、血管内壁など人体の形を形成する細胞群と同じ中胚葉から派生しています。筋肉や骨が人体の形を形成し、形により見た目に老いや若さが感じられるように、真皮層は皮膚表面の形や表情を形成し、老いや若さを表現します。顔のたるみ、色、つや、ハリの衰えはすべて真皮層(柱)の劣化によって起こる老化現象なのです。
 

| 理論1:昼の皮膚と夜の皮膚 | 理論2:美白の定義 | 理論3:表皮層と真皮層|
| 理論4:皮膚表面の生理学 | 理論5:角質内外の保水構造 |
| 理論6:皮膚の表面は弱酸性・プラスイオン |